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2012/02/11

ダイヤモンドの丘

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ダイヤモンド。シエラレオネを知る人ならこの言葉が頭をよぎるだろう。1990年ごろに起こったシエラレオネの内戦を扱った映画「ブラッドダイヤモンド」がその理由だ。しかし事実としてシエラレオネは未だにダイヤモンドビジネスが活発な国だ。その理由は「丘」にある。首都のフリータウンからでも多くの丘が見え、とても綺麗な風景が見える。そして、都市から離れてバスで2時間、4時間、8時間もすると、ダイヤモンドが眠る丘が数多くあるのだ。


どこの都市にも、実家は田舎だと言う人が多いように、そんなおじさんがフリータウンにも溢れている。そして、彼らは白人の友人が出来るとこう話し出す。「自分の村ではダイヤモンドが採れる。これこれの資金があればダイヤモンドビジネスが... 云々」

それは事実であると思う。何故なら、筆者が訪れた村にはダイヤモンドが石のように(石なのだが)落ちていたからだ。しかし、ダイヤモンドビジネスはどうしてもリスクが伴う。ルンギ国際空港の敷地内に土地を持ちホテル建設を始めたKabba一族の末っ子Joseph25歳。彼もダイヤモンドビジネスに大金を賭けたそうだが、財産全てを失ったそうだ。

シエラレオネの首都はフリータウン、第二の都市が「ボ」という県だ。筆者の友人がボ県の村に田んぼを持つので訪れたときの話をしたい。ボ県のボ市はフリータウンと比べると経済発展していないことがわかる。ビルの数が少ないことや交通機関のタクシーが皆無でバイクばかりなのが象徴的だ。。しかし、一部の金持ち(アラブ系の人々によってがスーパーマーケットや飲み屋が建てられていた。筆者が訪れたときは大型デパートを建設中だった。

さて、友人の村に訪れたといっても簡単なものではない。フリータウンからボまで4時間バスに揺られ、3日友人の家で過ごした後に村へ出発した。まずはバイクで2時間ほど赤土を舞わせ(ちなみにバイクで事故を起こした)、その後一時間ほど丘を登ったり降りたり、小川を渡り村についた。

先ほど述べたように、村までの道のりでダイヤモンドが石のように(石なのだが)落ちていた。そして、村の人々はそれに気を止めないという事実が面白い。村の人々は村の発展(医療面、教育面、交通面)を望みながら、ダイヤモンドを掘ることを止めたそうだ。ダイヤモンド発掘できるようなの資金を持つような白人に出会っていないだけかもしれないが、ダイヤモンドの発掘の代わりに交通改善を頼めば望みが叶うのにと思ってしまった。


このダイヤモンドの丘。発展しているのは確かだ。政府は子供の出生率の低さや子供の死亡率の高さ(もちろん、主にマラリア)を改善するために5歳まで無料医療を提供している。しかし実際は、子供が病院を訪れても薬はないと言われてしまうか、的確な治療を行ってもらえないらしい。そして母親は私立の病院でお金を払い薬をもらう。先ほど紹介した村には幸運にも子供用のクリニックがある。しかし、子供に与えられる薬は本当に無い。


経済発展の発展度合いもGDPの伸びを見るとわかる。内戦の反動は大きかったものの、その内戦のおかげでこの丘は有名になった。フリータウンの中心街には白人やアラブ系、そして中国人が溢れている。彼らが働く場所を作り出し、シエラレオネ人たちはゆるーく働いている。無料医療の話を出したが、治療費を払える親は払えばいいと思うし、そういう親が存在することが経済発展の小さな結果でもある。


それにしてもフリータウンの夕日と丘は綺麗だ。11月の気持ちいい風が吹いている。


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